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初級者特集・まとめ記事

ピアノ練習曲 おすすめ3選!【初級者編】

今回の記事では、初級者におすすめの練習曲集と、その使い方について解説します。

大人の場合、初級者といっても音楽的背景は様々です。ピアノの経験はなくても、他の楽器や声楽を習っていて楽譜がスラスラ読める方もいれば、今まで音楽にあまり親しむ機会がなかった方もいるでしょう。

yatarin
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まずは、読譜力をチェック!

読譜が苦手な方は、まずテキスト型の教本を

楽譜がまったく読めない、少しは読めるけれど苦手!という方は、読譜や楽典の初歩知識の説明がくわしい、「テキスト型」の教材でまず勉強しましょう。



「テキスト型」教材について知りたい方は、こちらの記事をお読みください。

読譜ができる方は「身体訓練特化型」か「一般型」の練習曲を取り入れよう!

大譜表(上段がト音譜表 下段がヘ音譜表の一般的なピアノ譜)が読める方は、日頃の練習メニューに「身体訓練特化型」「一般型」の練習曲を加えることをおすすめします。

「身体訓練特化型」の練習曲とは、曲ではなく短いパターン練習なので、効率的に技術の練習ができます(技術面だけに特化している)。

「一般型」は曲になっている練習曲です(バイエル、チェルニーなどが有名)。

「身体訓練特化型」「一般型」の練習曲とは? 詳しく知りたい方は こちら

yataro
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リンクをクリックすると、各練習曲の説明にジャンプ♪

初級者向け ピアノ練習曲おすすめ3選
yatarin
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バーナムは「身体訓練特化型」バイエルとツェルニーは「一般型」です。

それでは、本題のおすすめ3選とそれぞれの特徴、効果的な使用法の説明に移ります!

①バーナム ピアノテクニック 1巻~4巻 

エドナ・メイ・バーナム(1908年~2007年)は、アメリカの音楽教育家。子どものピアノ教育に専心し、たくさんの本を出版するほか、ピアノ指導者への講義を活発に展開しました。

「子どもの教則本か」と侮ることなかれ!大人が使うことを考えても、実によく考えられた良質の練習曲だと思います。幼児用の「ミニブック」「導入書」を除き、1巻から4巻まで大人の初級者が技術を身につけるのに最適な練習曲だと思います。

各曲が非常に短く、練習の意図がつかめるような題名が付いているのも魅力的。4巻まで、飽きることなく続けられます。最初からペダルの使用があるのも、大人には嬉しいですね。

なお、「身体訓練特化型」の練習曲なので、読譜の解説はありません。

効果的な使い方・注意点など
  • 1日で12曲練習する指示がでていますが、大人の場合気にしなくて良いでしょう。自分のペースで無理なく練習すること。もうすでに簡単にできるものは省略して良いと思います。

  • 多くの曲に、1回目はレガート(なめらかに)、2回目はスタッカート(短く切って)で弾くように指示がでています。音量の指示とあわせて、必ず守りましょう。

  • 音階、和音の指使いは、この段階で身につけることが大切です。しっかり確認しましょう!

  • 1巻はハ長調のみ、2巻は白鍵から始まる長調、3巻は3度・6度の音階練習、半音階、イ短調、4巻は指の拡張練習、半音階、異名同音調の練習などが含まれています。

②バイエル 教則本  

バイエル(ドイツ 1806年~1863年)の教則本は、今日でも愛用されている初歩の教則本のひとつです。
子どもの導入教材として、バイエルがやたらと批判される時期もありました。

確かに、今の子どもにとっては退屈な曲が多い、ロマン派以降の曲のテクニックに結びつきづらいなど、いろいろな理由がありましょう。

しかし、大人の学び直し(あるいは初挑戦)教材としては、バイエルはなかなか優れていると私は思います。私の教室のシニアの方は、バイエル好きが多いです。
先生との連弾課題が楽しく、レッスンに通うモチベーションになるともおっしゃっていました。

こうした心温かい時間を大切にすることも、大人のピアノレッスンには重要なことだと思います。

「一般型」の練習曲ですが、読譜・楽典解説も少し載っています。「ト音譜表なら読めるよ」という方なら、未経験者でもすぐ使用できるかと思います。練習しながら、ヘ音譜表を読めるようにしたいですね。

効果的な使い方・注意点など
  • 先生について学ぶと、連弾が楽しめてより効果的です(も育つ)。

  • ドイツの教材らしく、重音(和音が連続する)練習やアルベルティ・バス(古典派の典型的伴奏音型)の曲が豊富にあります。今後、ソナチネなどを弾くとき役立つでしょう。基本的に、バイエルは、古典派作品のための練習曲といってよいかもしれません。

  • 70番以降はかなり難しいものもあります。前述のバーナムを2巻までやってから、バイエル後半に入るのも良いでしょう。

  • 全音出版、音楽之友社ともに併用曲集付き音楽之友社版は、楽典解説有。

全音出版は併用曲集付き

音楽之友社版は、併用曲集&楽典解説有。

③チェルニー リトルピアニスト  

チェルニー(オーストリア 1791年~1857年)はピアニスト・作曲家として活躍し、1000曲以上の作品を残しました。練習曲があまりに有名なので過小評価されがちですが、実はすごい人!
ベートーヴェンに音楽を教わり、リストを門下生として輩出しています。そう思うと、襟を正して練習したくなりますね。

私は昔、チェルニー リトルピアニスト→30番→40番→50番と練習してきましたが、ベートーヴェンとリストの作品を弾くうえでは、チェルニーの練習曲で学んだことが本当に役立っていると感じます。

しかし、ショパンや、フランスの作品を弾きだしたとき、今までの練習だけではうまくつながらない、別のメソッドも必要と考え、こちらの記事(中級編おすすめ3選上級編おすすめ3選)で紹介したような練習曲を試した経緯があります。

とはいえ、上達を望むなら、初級の時期にチェルニーをやっておくことはやはり大切だと思っています。
チェルニーで練習した基礎があるから、他のメソッドも試すことができたのです。
生徒さんをみていても、チェルニーを練習してきた方は指の故障などが少なく、長くピアノを弾き続けられています。

内容的にバーナムやバイエルより難しいので、バイエル後半が弾けるようになったころ導入すると良いかと思います。初級と中級の橋渡し的な、大事な練習曲といえるでしょう。

効果的な使い方・注意点など
  • 前半はすべてハ長調の曲ですが、拍子はさまざまです。メロディーのみならず、伴奏部を美しく弾けるように練習しましょう。左手は、8分音符、16分音符、3連符の伴奏形とバラエティー豊かです。それぞれの拍子の違いを意識しながら仕上げていきましょう。
  • バーナム、バイエルをある程度練習した方は、44番までは適宜飛ばしながら進んでもよいと思います。ただ、同じ拍子のものばかりやらないように注意してください。

  • 45番からは、いろいろな調での練習が始まります。装飾音、トリルなどを使った美しいメロディーの曲も増えてきます!2オクターブでの音階練習もついているので、あわせて練習するとよいでしょう。

他の練習曲も知りたい!「練習曲ガイド 初級」はこちら

まとめ

初級者向けのピアノ練習曲おすすめ3選は以上です。

いずれも定番練習曲で、指導者側も適切な指導がしやすい教則本です。
独学の方には、模範演奏CDなども、探せばいろいろ見つかります。まずは楽しんでやってみましょう!

練習曲で学んだことをいかし、いろいろな曲にチャレンジできたら良いですね!

他の練習曲も知りたい!初級練習曲ガイド(一覧)はこちら