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練習曲 上級(11~15)

チェルニー 60番

ツェルニー60番
作曲者チェルニー,カール(1791~1857)
出身国オーストリア
難易度上級12~14
形態身体訓練特化型

概要・特色

「チェルニー 60番(1837年出版)」の原題は、《Schule des Virtuosen ヴィルトゥオーゾの学校―華麗さと演奏の練習曲集》。ヴィルトゥオーゾとは、ヴァイオリンのパガニーニやピアノのリストなど、格別な技巧・能力をもって名人、達人の域に達している特別な演奏家をさします。

原題から推察されるとおり、「チェルニー60番」は非常に高度な技術の習得を、できるだけ短期間に達成することを目標に書かれています。そのため、各曲を短いパッセージに分け繰り返し回数を指示するなど(8回~30回程度)、専門家向けのかなりハードな内容になっています。

特筆すべき練習課題として、第19番の半音階(ショパン:半音階の練習曲 Op.10-2を意識した書法)、第31番のグリッサンド(単音、3度、6度)、第41番の10度の連続的な跳躍などがあります。
抜粋で、ショパンやリストの練習曲の予備練習、補強練習として使うこともできるでしょう。

1830年代には、ピアノの改良、それに伴う技巧の探求が急激に進んだため、時代の要求にいち早く対応するべく編纂された練習曲だと言えます。純粋に技巧の訓練に特化しており、様式や和声の理解は重視されていないことから、チェルニーの練習曲としては珍しく「身体訓練特化型」に分類しました。

楽譜情報